夏です。毎日とても暑くて少し外で過ごすだけでボーっとしてしまいますね。
子どもたちは楽しい夏休みですが、高温多湿な環境で長時間過ごすと熱中症のリスクが高まります。熱中症は体温調節がうまくいかず、体内の熱が過剰にこもってしまうことで発生します。今回は、子どもの熱中症対策について詳しく解説し、安全に夏を過ごすためのポイントを紹介します。
熱中症とは
「高温多湿環境下での運動などにより、体内の水分・塩分(ナトリウムなど)量のバランスが崩れたり、体温調整機能や循環機能が破綻して発症する障害の総称です。
熱中症の症状は、めまいや失神、意識障害、手足の運動障害など多彩で、最悪の場合は死に至ることもあります。」
(厚生労働省HP一部改変:https://jsite.mhlw.go.jp/gifu-roudoukyoku/var/rev0/0115/6213/201461916836.pdf)
熱中症の症状
熱中症はⅠ度(軽症)からⅢ度(重症)に分類されます。
- Ⅰ度 熱失神/熱痙攣
脳血流が悪くなってめまい・失神(立ちくらみ)を起こしたり、汗をかいてナトリウムが不足することでこむら返りを起こすこともあります。
▶まずは現場で対応を:冷所での安静、体表冷却、水分と塩分の補給など - Ⅱ度 熱疲労
症状が進行して、頭痛・吐き気・だるさ等が出てしまいます。
▶すみやかに医療機関へ:体温管理、安静、十分な水分と塩分の補給が必要なため点滴となることもあります。 - Ⅲ度 熱射病/日射病
さらに症状が進行して意識障害・全身痙攣・運動障害が起こります。体温調節機能が破綻して高体温(≧40℃)になると大変危険です。
▶緊急受診:危険な状態です。すぐに救急車を呼んで受診しましょう。救急車到着までは涼しい場所へ避難して安静、全身の冷却に努めてください。入院となることがあります。
意識がしっかりとあれば涼しい環境へ避難して冷却と同時に水分・塩分をしっかりと取って過ごしましょう。だるさ等の症状が引かない時は受診しましょう。
熱中症の予防方法
熱中症はとにかく予防が大切です。いくつかの点に気をつければ発症リスクはぐんと減ります。
予防するために、以下のポイントを押さえておきましょう。
1. 水分補給
水分補給は熱中症予防の基本中の基本です。喉が渇くと感じる前からこまめに水分を摂ることが重要です。とくに以下の点に注意してください。
②スポーツドリンクの利用:熱中症予防の際には塩分や糖分をしっかりと含んだスポーツドリンクが有効です。とくに屋外で活動する時は喉が渇いていない時でも定期的に口にしましょう。
③味噌汁:意外かもしれませんが、味噌汁も塩分やミネラルがしっかりと含まれており熱中症対策にはとても効果的です。熱いと飲みづらいので冷たい味噌汁を取りましょう。
④塩タブレットの利用:スポーツドリンク等が苦手な方は水や麦茶などで構いませんが塩分補給のために塩タブレットや梅干しなど塩分を一緒に摂るように心がけましょう。
⑤その他:甘酒(ノンアルコールのもの)や牛乳も栄養素を含んでおり効果的です。
こまめな水分補給!定期的な水分補給!適切で無理のない水分補給を習慣化しましょう。
2. 適切な服装
服装は熱中症予防にとても大きく影響します。
以下の点に注意して、涼しく過ごせる服装を選びましょう。
- 軽くて通気性の良い素材: コットンやリネンなど、汗を吸収しやすく通気性の良い素材の服を選びます。
- 帽子や日傘: 直射日光を避けるために、広いつばのある帽子や日傘を活用しましょう。
- 明るい色の服: 暗い色は熱を吸収しやすいため、白やパステルカラーの服を選ぶとよいでしょう。
3. 涼しい環境の確保
涼しい環境を確保することも重要です。
できる限り涼しい環境を作り快適に過ごしましょう。
- エアコンの使用: 室内ではエアコンを利用して適切な室温を保ちます。設定温度は25〜28℃が目安です。
- 風通しを良くする: 窓を開けて風通しを良くし、扇風機を併用すると効果的です。
- 外出時の注意: 外出する際には、日陰やクーラーの効いた場所で定期的に休憩を取るようにします。
4. バランスの取れた食事
暑い季節でも、日頃からバランスの取れた食事を心がけましょう。
特に熱中症対策としては水分と塩分補給に役立つ食品を積極的に摂取すると良いです。
5. 休息と睡眠
十分な休息と睡眠は体調管理に最も大切といえます。
もちろん熱中症予防にも休息と睡眠は欠かせません。夜は涼しい環境でしっかりと睡眠をとり、日中も適度に休憩を取りながら活動しましょう。
熱中症が疑われる場合の対処法
万が一、熱中症の症状が現れた場合には、迅速に対応することが重要です。
1. 涼しい場所へ移動
まずは、涼しい場所へ移動し、体を休めながら冷やします。
室内であればエアコンの効いた部屋、屋外であれば日陰で風通しの良い場所などに移動しましょう。
2. 体を冷やす
衣服を緩め、氷嚢や冷たいタオルで体を冷やします。特に、首、脇の下、太ももの付け根などの太い血管が走っている場所を冷やすと効果的です。
3. 水分補給
水分と塩分を補給します。意識がはっきりしている場合は、スポーツドリンクなどを少しずつ飲ませましょう。
4. 医療機関の受診
症状が改善しない場合や強い症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診することが必要です。先述しましたが意識障害や全身痙攣などが見られる時は救急車を呼んで緊急で受診しましょう。
小さなお子さんは特に注意が必要
①体温調節機能が未発達
②水分比率が高い(成人の60%程度に対して、赤ちゃんは70〜80%)
③体表面積と体重の比率が高い
④水分摂取を頑張らない
⑤自分で症状を訴えない
などの点から子どもたちはより脱水が進行しやすいため、深刻な熱中症になりやすいと言えます。とくに幼ければ幼いほどそのリスクは高まりますので注意してください。
他にも
- 高齢者: 体温調節機能が低下し、暑さに対する感覚が鈍くなることがあります。
- 持病を持つ人: 心臓病や糖尿病などの持病があると、熱中症のリスクが高まります。
- 屋外で活動する人: スポーツや作業などで長時間屋外にいる場合は特に注意が必要です。
などには注意しましょう。
まとめ
適切な対策をすれば防げる病気の代表が熱中症と言えます。
こまめな水分補給
適切な服装
涼しい環境の確保
など日々の生活で予防対策を実践しましょう。
もしも熱中症の症状が現れた場合は、速やかに適切な対策を講じ、必要に応じて医療機関を受診してください。
暑い夏でも健康的で、よい思い出のつまった楽しい夏休みを過ごして下さい。
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