インフルエンザワクチンについての第二弾です。
(前回のブログ「接種回数について」はこちらから)
今回は卵アレルギーとの関係について考えてみます。
まず最初に、卵アレルギーとワクチンについて厚生労働省の補助事業として一般社団法人日本アレルギー学会が運営する「アレルギーポータル」というサイトにはどのように書かれているでしょうか?
鶏卵アレルギーですが、予防接種は受けてよいですか?
通常通り、予防接種を受けて大丈夫です。〜中略〜 インフルエンザワクチンは製造する過程で有精卵が使われ、日本製のワクチンでは1mLあたり数ng(ナノグラム)の鶏卵タンパク質が混入している可能性がありますが、通常通りに接種して重篤な反応が生じる可能性はきわめて低いレベルですので、医師に相談してワクチン接種を受けてください。
と、このように書かれています。
1ng = 0.001μg = 0.000001mg = 0.000000001g
です。重症の卵アレルギーの方でもこれだけ微量な卵に反応することはないとされています。
実際に致死的アナフィラキシーを起こす卵アレルギーのお子さんも見てきましたがこれだけ微量なものに対して反応することは考えられません。
もちろん、インフルエンザワクチンで副反応を起こす人はいますが、実際にインフルエンザワクチンによる副反応の発生率について卵アレルギーのある人とない人とで違いはなかったと報告されています。つまり、卵アレルギーのせいでワクチンに反応したわけではなさそうだということです。
逆に、どれだけ健康な方でも強い副反応(アナフィラキシー)を起こすことがありますし、それを完全に予測することはできません。
が大切だと言えます。
「卵アレルギーじゃないから大丈夫だ」と思って気を抜いて打つことのほうが危険です。
それでは当院での対応についてお伝えします。
卵アレルギーのある方で接種に不安のある方に少しでも参考になれば幸いです。
ご希望の方は事前にオンライン診療などでお話することも可能ですのでお気軽にご相談ください。
2023年4月3日開業の小児科・アレルギー科クリニックです。
寒川・茅ヶ崎でアレルギーのことでお困りの方はご相談ください。
参考URL
https://www.cdc.gov/flu/prevent/egg-allergies.htm
https://www.searchmytrial.com/allergy_influenza/
https://allergyportal.jp/